下地とは、外壁や屋根、床などの表面材の下にある層のことです。
気温の変化や紫外線、雨風の影響で「ひび割れ」、「鉄筋の爆裂」、「モルタルの浮き」、「コンクリート欠損」などの劣化が起こり、建物の耐久性や安全性が著しく損なわれることがあります。
また、これらをしっかりと修繕することによって、その後に施工する塗装等の仕上がりに大きく影響します。
それぞれの特徴と修繕方法について簡単にご紹介します。
気温の変化や建物に加わる地震などの外力によって生じます。
放置すると、雨水が浸入して雨漏りしたり、内部構造の劣化を引き起こしたり、建物全体に深刻な影響を与える恐れがあります。
軽微なひび割れの場合「フィラー擦り込み工法」で修繕します。
ひび割れ部にフィラー材を充填します。
ひび割れが大きい場合には「Uカットシーリング」で修繕します。
ひび割れ箇所に電動カッターなどの工具でU字に溝を作り、清掃後プライマーを塗布してからシーリング材を充填しヘラで平らにします。
ひび割れから雨水が浸水する等により、コンクリート内の鉄筋に錆が生じて膨張し、コンクリートを押し出している状態です。
放っておくと鉄筋が露出した状態になり、コンクリート片が落下する等して大変危険です。
修繕部分のコンクリートをハンマーなどで落として鉄筋を露出させ、ブラシなどで錆を落としながら清掃し、錆止め塗料を塗布してからモルタルを充填しコテ等を使って平らにします。
地震などの影響でダメージを受けたり、ひび割れ等から浸水したりすると、その部分のモルタルが浮いてくることがあります。
見た目ではわからないことが多く、打音点検ハンマーや打診棒などを使って打音の違いで診断します。
浮いたままにしておくと、モルタルごと剥がれ落ちてくる可能性があります。
穴をあけて浮いている隙間にエポキシ樹脂を注入し、アンカーピンを挿入し建物に固定する工法で修繕します。
ひび割れや爆裂によっても生じますが、地震などの外的な力によりコンクリートが弱くなり欠けてしまうケース等があります。
放置するとコンクリートが剥がれ落ちる危険があるほか、雨水が内部に入り込み漏水したり、内部の鉄筋が錆びて構造自体の強度が低下したりする恐れがあります。
欠損部に接着剤を塗り、モルタルなどで成形し͡コテ等を使って平らにします。
以上、下地補修についてご紹介しました。
建物本体の傷みをカバーし工事の効果を最大限に引き出す下地補修、最終的には見えなくなる箇所も丁寧に仕上げていくことが重要です。